谷崎潤一郎と書物

谷崎潤一郎と書物

山中剛史

秀明大学出版会/2020年10月1日発行/A5判/上製本/カバー装/丸背

カバーは特色2色にタイトル部分をつや黒の箔捺し、表面加工はニス。帯は平和紙業「ぬのじ」に特色2色。

谷崎潤一郎とその書物の研究書です。カバーには本書で取り上げられている谷崎潤一郎の「書物」の装幀から採集した意匠を配しています。また、タイトルの「谷崎潤一郎」は小村雪岱が装幀を手がけた谷崎の『女人神聖』(春陽堂、大正9年)の函背に雪岱文字で描かれたタイトルから採集しました。表紙には彼の研究の土台となる蔵書群である本棚を配しました。表紙には、帯で「古書趣味と文学研究の越境・融合(ハイブリッド)」と謳う著者の本棚の写真を使用。著者の言葉だけでなく、その知の源泉も装幀に綴じ込みました。

最後に……、著者は長い付き合いの友人で、『谷崎潤一郎と書物』は初の単著です。その装幀を手がけることができたのはとても嬉しく光栄なことであり、またその本にライフワークである小村雪岱研究の一つ成果である〈雪岱文字〉を配し、彼にその装幀の本を渡せたことも重ねて嬉しいことでした。