『おせん──東京朝日新聞夕刊連載版』邦枝完二著・小村雪岱挿絵(真田幸治編、幻戯書房)刊行決定

邦枝完二『おせん 東京朝日新聞夕刊連載版』を小村雪岱の挿絵を全59回分すべて収録し編者として刊行します。新かなを採用し、幻戯書房より10月末刊行予定です。

「おせん」は昭和8年に『東京朝日新聞』及び『大阪朝日新聞』で連載され翌昭和9年1月には文章と挿絵を一部修正、差し替えた形で島源四郎の新小説社より刊行されていますが、本書は当時の疾走感を再現する連載版として刊行します。

雪岱が挿絵画家として邦枝と組んだ新聞連載小説「江戸役者」「おせん」「お伝地獄」「喧嘩鳶」はいずれも雪岱の仕事としてよく知られていますが、邦枝が「朝日へ書いた『おせん』の挿絵の如き特に雪岱氏の代表作ともいふべきもの」と書いている通り、「おせん」の挿絵は大衆に挿絵画家〈小村雪岱〉の存在を知らしめました。

また「江戸役者」から「おせん」の挿絵を手がける過程で雪岱の挿絵画風は一つの完成を見せ、その画風は現在「雪岱調」と名付けられています(当時は「雪岱型」と言われていました)。

邦枝の江戸情緒豊かな時代風俗小説と、髷物の挿絵を得意としその世界を描き出した〈雪岱調〉の挿絵を堪能してもらえたら嬉しいです。(編者 真田幸治)

2021年9月22日(水)神保町

昨日は後期二回目の授業日。いつも楽しみにしている遅い昼ご飯に食する大阪阿部野橋駅の構内の立ち食いうどんだが、残業で駅到着20時着ですでに明かりを落としていたのがとても残念だった……。結局いつもと代わり映えのしないコンビニ飯を食した夜でした。

新幹線で帰京後、たまった雑務をこなしてから夕方に神保町へ。まずは昨日食せ無かったうどんへの渇望を丸香で解消する。一杯目は青唐辛子うどんにかしわ天、おかわりは丸天。大満足。

それから馴染みの古書店に寄り、注文品を確認させてもらう。これはと思いやはり譲って頂くことに。雑談。店内は以前よりも本で埋め尽くされていて、まるで倉庫のようだ。

それから幻戯書房に寄り、田口博さんと打ち合わせ。今回の制作中の本とは直接関係ないが後学の為に『映画美術の情念』(内藤昭著、東 陽一、リトルモア、1992年)をお借りする。版元が90年代に目白に会社を構えていたことを知る。

まだ当分執筆にかかりっきりで更新は少なめです。ご容赦を。