「六花」vol.1

営業時間もそろそろ終えようとしているジュンク堂の三階を散歩する。と、短歌の棚に六花書林から刊行された「六花」vol.1が面出しされていたので撮影。かなり減っている。

img_3808

img_3807

12月7日 定例会

昨晩は今年最後のタイポグラフィ学会の定例会だった。いつものように朗文堂の一部屋をお借りして色々と。今年最後とのことでちょっと飲む。片塩先生を訪ねて西からのお客さんもいらしたり、楽しい夜でした。

終電もなくなってしまったので同じ方向の二人と一緒にタクシーで帰宅。一人で朗文堂のビルを後にすると、出てすぐそこにある博多天神に足を踏み入れてしまうので皆で帰ったのは良かったかも。

まぁ池袋に着いたら着いたで遅くまで営業しているラーメン屋がすぐそこにあるのだけど。

下の写真の小径を抜けると朗文堂のはいったビルが出迎えてくれる。

fullsizeoutput_243

二回目の古書目録

先月末、扶桑書房の速報が郵便受けにはいっていた。驚いた。なぜって、11月半ばに既に一度届いていたのに、二週間も経たないうちにふたたび届いたのだから。扶桑書房はここ数年「速報」として毎月目録をだしているけど、薄手とはいえ内容は毎回充実、しかも懐に優しい値付け。ありがたい。注文品は無事落手。12月にも古書目録はでるとのこと。見習って働きたい。

即売会の方は「書窓会」で落ち着いたと思ったけれども今月はまだ「五反田古書展」「新宿展」「ぐろりや会」があった。まだまだ今年は終わらない。

先日の書窓会の初日、ふと手にした雑誌がかなり貴重なものだった。今まで不明な部分が多い時代のことを本人がしっかりと書いていた。確認したところ、やはりあらゆるデータベースにも登録されておらず、こういった資料は結局は足で稼ぐしかないのだなと改めて思う。

原稿がようやく書き終わりそうだが、入稿ラッシュで最後の〆が出来ない。

『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会 2016年11月23日

既に2週間近くたってしまったが、11月23日(水・祝)にタイポグラフィ学会主催の『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会(場所:東洋美術学校D棟学生ホール)にて論文の発表で講演をした。
昨年の学会誌『タイポグラフィ学会誌08』にて発表した論文「雪岱文字」の誕生──春陽堂版『鏡花全集』のタイポグラフィ」を元にしたもの。
学会誌では取り上げるられなかった手持ちの資料を色々展示したので、多少は楽しんでもらえたかなと。
個人的には資生堂書体関係者の方にいらして頂き、お話しできたのは嬉しかった。

●要旨
装幀家、挿絵画家などとして再評価が著しい小村雪岱であるが、その評価は主に泉鏡花の著書、「鏡花本」の装幀によるところが大きい。その雪岱の装幀において、雪岱独自の文字「雪岱文字」が実は大きな役割を担っていたという事実は知られていない。
 また、「雪岱文字」は雪岱が大正期に在籍していた資生堂の和文ロゴタイプの成立にもは大きく寄与している。そして春陽堂版『鏡花全集』の函の装幀において主要な構成要素として採用され一つの完成を見ることになる。今まで論じられることの なかった「雪岱文字」が、どのように誕生し、展開されていったのかを考察する。

サラマ・プレス倶楽部 忘年会 2016

昨日、12月3日(土)は四ツ谷でサラマ・プレス倶楽部(6月までアダナ・プレス倶楽部)の忘年会でした。
諸用で閉場間際の書窓会は東京古書会館に寄った後に中央線の快速に乗って四ツ谷へ。去年の忘年会と同じ場所だったので道に迷うことなく無事到着。去年と違う路を通って向かっていたら、知らなかったラーメン店を発見して心のメモをする。
会場では大石さんの指揮の下、忘年会のメインの蒸し餃子のための皮を皆でつくる(サラマ/プレス倶楽部の忘年会では餃子を皆で皮から作るのが恒例)。出来上がりを実際に口に運んでみると、やはりというか、手作りの餃子の美味しい。皆で作る楽しさが表れるのが、皮が厚かったり、薄かったり、それぞれの餃子がばらばらだったりすること。皮作りは個性がでる。
「Viva la 活版」の鹿児島、新潟、長崎?のスライドを流しながら、活版のことやタイポグラフィのこと、「Viva la 活版」で訪れた土地の話に花を咲かせた。
忘年会終了後、朗文堂に寄って片塩二朗先生にお話しを伺ったりしている内に、終電時間も過ぎ結局朝方に帰宅。

六花書林10.5周年対談イベント「六花書林の10年」

六花書林10.5周年イベント、「六花書林の10年」をテーマにした宇田川寛之氏(六花書林代表)と僕、真田幸治の公開対談が無事終了しました(昨日(3月19日)の土曜日)。対談をおこなった場所は友人二人が経営している神保町の古書店「古書いろどり」。始まる前はどのぐらい来てくれるか見当も付かなかったのだけれど、二時間前ぐらいからちらほらとイベント参加者が顔を出し始めてくれて、開始時間の18時半にはスペース一杯になり少し奥に詰めてもらうまでに。

遠方からいらしてくれた方もいて、六花書林の本作りに関心を抱いている人たちがこんなにいてくれたのだなーと感慨深かったです。俳人の宮崎斗士さん(六花書林から『翌朝回路』『そんな青』)や、歌人の本多稜さん(『游子』)、森本平さん(『町田コーリング』)、内山晶太さん(『窓、その他』)といった六花書林から本をだしている人たちが忙しい中、来てくれたのも嬉しかった。

対談では、宇田川さんが創業するまでの経緯や、また僕が六花書林の装幀を一手に引き受けることになった流れなども話し(ちなみに対談場所の店の主の一人、歌人の花笠海月さんは宇田川さんと僕を繋げてくれた人です)、そしてあらかじめ用意しておいた資料を元に、六花書林創業からの刊行本の中から選んだ10冊を刊行年順に挙げながら、制作している中でおこった出来事や感想、思い、色々と話しました。六花書林の装幀の流れの中ではちょっと違った、やわらかい装幀の『パン屋のパンセ』『食卓の音楽』といった杉崎恒夫さんの歌集二冊は僕にとっても色々と思い出深い本で、『パン屋のパンセ』はなんとただいま六刷です。普段歌にふれていない人たちにも読まれた結果だろうと思います。

60分という時間は本当にあっという間で、もっと宇田川さんから色々な話を引き出したかったなーというのもあったけれども、この10年かなり近くにいた僕でさえも知らないことが色々あって、対談者本人がおもしろく聞いていたというのもありました。イベント終了後は10人ほどで打ち上げ(なんと「酔の助」は満員で入れず)、二軒目にも。気付けば終電。帰宅後は仕事とこのイベントの準備で慌ただしかったのでよく眠れました。まだ原稿が残っているのですが。

2月5日(金)古書会館は書窓会

早朝から仕事をサクサクと済ませて10時過ぎに神保町は古書会館着。書窓会でした。戦前の雑誌を、というかほとんど戦前のものしか買わないが、数冊購入。お昼には事務所に戻ってまた仕事。そしてまた神保町に出る。今度は打ち合わせ。一時間ほどで終わったので田村書店を覗いてから(ご主人の姿は見えなかった)、また古書会館へ……。補充がしてあったので数冊購入。近くにいた友人と合流してお茶と食事をして帰宅した。秋葉原は来る度に子供のころに来た時とまったく違う姿に変貌していくので、いつ来ても不思議な気持ち。

夜の古本まつり

今年も古本まつりが終わってしまった。例年よりも一週間前倒しして始まった古本まつりは素晴らしいことに雨にほとんど降られることがなく、古本まつりも終わりの週末に行われたブックフェスティバルも両日とも行われたのはここ数年なかったのでは? 装幀をよくやらせてもらっている幻戯書房も出店していたが、イベント会場と近かったので少々大変だったろう。何冊か購入。国書刊行会の出店で、五十殿利治『「帝国」と美術 一九三〇年代日本の対外美術戦略』を購入できたのは嬉しかった。ジュンク堂で何回か手にとったが懐事情を考えると逡巡してしまい、いつも諦めていた一冊。靖国通りの露天で出店していた親しい古書店主と話していたところ、さすがに一日ぐらいは雨で休みたかったと(笑)確かに10日間連続で一人働き続けるのは疲れがでてしまうだろうな。最終日に話しかけたら本当にぐったりしていた。おつかれさまです。夜の照明をつけた露天が好きなので写真を何枚か撮ったのをアップする。

10月28日の靖国通りの露天の古書店。神保町交差点から駿河台下に向かって。1

10月28日の靖国通りの露天の古書店。神保町交差点から駿河台下に向かって。2

10月31日のすずらん通りのブックフェスティバル。

10月23日(金)特選古書即売展

今日の東京古書会館の即売会は特選古書即売展。年に一度の古本のお祭り「東京名物神田古本まつり」の口火を切る即売会でもある(ちなみに「東京名物神田古本まつり」は今年で56回目とのこと)。毎年、早めに入口の行列に列ぶも今年は少しゆったり八時半に家をでた。とはいえまだ行列は10人に満たなかったけれども。目録注文品の二冊のうちの泉鏡花『袖垣』は無事当選。函付はほとんど見ることの叶わない一冊。本冊はどうも開いたことのない雰囲気でピンピンの状態。もう一冊は残念ながらハズレ。昼過ぎに五反田の古書会館でおこなわれている「本の散歩展」へ移動。小村雪岱の挿絵の間接的資料となりそうなものを購入。

泉鏡花の大正期の単行本『袖垣』。大正3年に誠文堂から刊行。収録作品は「銀短冊」と「若杜」。装幀者は不明。

10月18日(日)「月映」東京ステーションギャラリー

トークショーの前日の夕方、思い立って東京駅へ。東京ステーションギャラリーで行われている展覧会「月映」へ。ちなみに「つくはえ」と読む。田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎らによる雑誌『月映』を中心とした展示で、特に私家版『月映』などが興味深い。じっくりと見ていたら二時間たっても半分も見ることができず、閉館時間を気にしながら最後は流すように見終えた。充実した展示内容を堪能する為にももう一度この展覧会に来たいと思う。

図録の表紙。

池袋に戻って、西武の地下から地上に上がろうとするとどうも外から賑やかな祭り囃子が。「月映」展のことで頭がいっぱいだったけれども、今日がちょうど御会式の一番盛り上がる三日目の最終日であることに気づく。家に向けて明治通りを歩いていると、万燈を掲げて練り歩く行列と並んで進むことに。初めて見た時は纒の振り姿に見とれたものだけど、今は万燈のゆったりした雰囲気にも惹かれるようになった。