『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会 2016年11月23日

既に2週間近くたってしまったが、11月23日(水・祝)にタイポグラフィ学会主催の『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会(場所:東洋美術学校D棟学生ホール)にて論文の発表で講演をした。
昨年の学会誌『タイポグラフィ学会誌08』にて発表した論文「雪岱文字」の誕生──春陽堂版『鏡花全集』のタイポグラフィ」を元にしたもの。
学会誌では取り上げるられなかった手持ちの資料を色々展示したので、多少は楽しんでもらえたかなと。
個人的には資生堂書体関係者の方にいらして頂き、お話しできたのは嬉しかった。

●要旨
装幀家、挿絵画家などとして再評価が著しい小村雪岱であるが、その評価は主に泉鏡花の著書、「鏡花本」の装幀によるところが大きい。その雪岱の装幀において、雪岱独自の文字「雪岱文字」が実は大きな役割を担っていたという事実は知られていない。
 また、「雪岱文字」は雪岱が大正期に在籍していた資生堂の和文ロゴタイプの成立にもは大きく寄与している。そして春陽堂版『鏡花全集』の函の装幀において主要な構成要素として採用され一つの完成を見ることになる。今まで論じられることの なかった「雪岱文字」が、どのように誕生し、展開されていったのかを考察する。