『かりん』(歌林の会)の7月号が届いた。3月までは展覧会〈複製芸術家小村雪岱〉で慌ただしかったりしてつい先日までまったく疲れがとれなかったけれども、最近ようやく読む気力が戻った。開いた目次ですぐにその字面に捉えられたのが「〈複製技術時代〉の短歌」という貝澤俊一君の評論。「複製」という言葉に対する現代における立ち位置が興味深いです。
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2021年6月27日(日)『アーカイブと美術史』
先日、事務所にお越し頂いた資生堂の文化企業部のK氏に『アーカイブと美術史──『資生堂ギャラリー七十五年史 1919-1994』を編集執筆された綿貫不二夫さんにお話を伺う』(AMSEA、2020年)をお送り頂く。『資生堂ギャラリー七十五年史 1919-1994』を初めて目を通した時はその細部の情報まで徹底的に書き込む姿勢に驚いたものだけど、それもさもありなんという一次資料に徹底的にあたあった編集姿勢を確認することができた。四十代はこのほん本の編集に捧げたとのこと。
2021年6月23日(水)
新幹線の時間を勘違いして30分以上早く新大阪駅に到着。打ち合わせもあるしと早めの新幹線の自由席に乗車して帰京。いつもの駅弁。相変わらず美味しいのにとんでもなく安い。
池袋到着後、ベローチェでアイスコーヒーを飲みながらちょっと休んで事務所へ。本日は資生堂の方が三人来所。所蔵する戦前の資生堂資料をお見せしたり、色々お話しをうかがったり。ちょっとドタバタしてお見せできない資料があったのが申し訳ない。
宅配便を受け取る。こちらについては改めて。もうお気持ちが嬉しいです。夜は幸楽でラーメンと半チャーハン。久しぶりに普通のラーメンを食べたかった。
青幻社から大正から昭和初期にクラブ化粧品が経営していた出版社のプラトン社のモダンガール本が出ることを知る。大阪の出版社で文芸雑誌『女性』や『苦楽(クラク)』で知られているが、小村雪岱繫がりだと九九九会の仲間の水上瀧太郎『勤人』や里見弴『四葉の苜蓿』などの単行本も刊行していた。後に東京に進出。山六郎や後に資生堂意匠部で活躍する山名文夫も在籍している。ツイートでは6月刊になっているがAmazonでは7月刊になっているので遅れているのだろう。その遅れに親しみがわく笑
Twitterでアップしたプラトン社の雑誌の雑誌をこちらにもまとめておきます。
【プラトン社の雑誌『女性』】泉鏡花の「龍胆と撫子」や谷崎潤一郎の「痴人の愛」なども連載された雑誌『女性』。大正11年5月に刊行開始。左上から時計回りに大正12年2月号、大正15年3月号(表紙 山六郎『碧の手套』)、大正15年4月号(表紙 山六郎 表記なし)、昭和3年2月号(表紙 山六郎 表記なし)。
【プラトン社の雑誌『苦楽』】人気を博したプラトン社の雑誌『女性』に続いて大正13年1月に創刊され、昭和2年1月号よりタイトルの表記が『クラク』と変更されている。左上から時計回りに創刊号、大正14年10月号(表紙 山名文夫「クロス・ワード」)、大正15年2月号(表紙 山名文夫「道化」)、大正15年6月号(表紙 山名文夫「青葉」)。
2021年6月20日(日)
ランチは広州酒家へ。帰りに店を開けたばかりの古書往来座に寄り、昨晩の不忍ブックストリームⅡのb-spoの感想を伝える。夏目漱石の『こころ』など五冊の本の刷り部数を当てるクイズ。金曜日にリハーサルにおつきあいしたのだけど、完成度がググッッとあがっていた。しかし日差しが強くなってきた。夏が近づいてきている。
夜はニコニコ美術館の「静岡県立美術館「忘れられた江戸絵画史の本流」を巡ろう(出演:橋本麻里)」を見る。これはおもしろかった。生放送でここまでコンパクトにわかりやすく話すのは学芸員さんの準備はかなり大変だっと思う。行きたいが今週末まで。大阪の講義の翌日に打ち合わせを入れていなければ寄れたのだけど。
2021年6月19日(土)
夕方、整骨院に行ってから土曜日も動いている六花書林へ。都電荒川線で雑司が谷霊園の停留場で乗車して、東池袋、向原と二駅で下車。大阪のおみやげをお渡ししてから、ゲラを一本受け取る。駅前の焼肉屋へ。
あまり旅への思い入れはないのだけど、さすがにちょっと遠出したくなり、若し行くとしたら美味しい食事が堪能できそうな台湾かなと想像にふける。せめてもと台湾を舞台にした小説をと思い調べたら、ちょうど乃南アサの『六月の雪』(文春文庫)が文庫化されていたので購入。主人公の孫娘が、戦前の台湾が日本の植民地でだったことを知らない記述があり、おばあちゃんと同様に驚いてしまう。現代の教科書はあまり戦前の制作について書かれていないのか。
そうそう、股旅堂から注文品が届いていた。小村雪岱による装幀の花柳章太郎『水中花』(はなやぎ会、昭和7年)。外装無しで完本。目録発行前の股旅堂さんのツイートの画像に写っていて所持本より綺麗そうだなと思っていた本。
2020年8月13日(木曜)
『本の雑誌』2020年9月号、特集「つぶやく出版社!」を購入。めちゃくちゃ面白い。この暑い中、先日に続いてめちゃくちゃ美味しい豚カツ屋に列びながら、そして食べながら読む。装幀家が色校正をアップするのは喜ばれるのか。確かに装幀関係の皆さんがツイートしているのを結構見かける気がする。
2020年7月8日(水曜)
朝一で新幹線。落ち着いたらたまにはもう少しゆっくりして大阪の友人とも会いたいし、古書店も行きたいところだが当分先かもなぁ。帰りの新幹線で臼田捷治氏の『〈美しい本〉の文化誌』の二読目を終える。文中で取り上げられている本や本文の版面は口絵や本文で図版が載っているものもあるが、かなりの割合が載っていない。なので、家にあるもは探しだし、棚に並べ、ないものは取り寄せながら読み進めた。えらく時間がかかってしまった。本書は『装幀時代』(晶文社、1999年)、『現代装幀』(美学出版、2003年)、『装幀列伝―本を設計する仕事人たち』(平凡社新書、2004年)、『杉浦康平のデザイン』 (平凡社新書、2010年)に続く本。改めて感想をしっかり書こうと思う。事務所に戻った後、どうも疲れがでてしまう。新幹線移動がイマイチ苦手です。
2020年7月6日(月曜)
朝から一つずつ仕事を終わらせる。昼過ぎに少し仮眠して、また仕事。ジュンク堂の三階(文芸書)に行き、新刊を確認する。帰宅後、仕事に戻るもののここ最近、眠る時間帯が少なく不安定なので少しつらい。不在で受け取れなかった宅配便が書店より届く。小村雪岱関連の本。注文したものは本だが、おそらく付いているのではないかと考えていた内容見本が予想通り本に挟んであり、恥ずかしながら一人で拳を握った。これは嬉しい。雪岱論文に組み込もうと思う。夜の0時頃に一時間ぐらい眠ってから再作業。PDFを送り、明日(今日)の仕度を済ませる。
日録 2020年6月30日(火曜)
今日も天王寺のホテルで日録を書く。事務所のiMacじゃないと仕事ができないので書く余裕が生まれるのかもしれない。今回も朝一で池袋を出て品川経由で新幹線。大阪へ。大学で講義を二コマ。ようやくサーバ経由でのデータ渡しができるようになった。帰りに天王寺の構内の立ち食いうどん屋へ。今回は山菜うどん(330円ぐらいだったかな?)を食べる。仮眠をとってからちょっと仕事。いま午前3時過ぎ、これから新幹線の時間まで本を読む。
明日は7月1日。騒がしい2020年の前半だった。ステイホームと言われても、いつも事務所にこもって仕事をしているので、あまり変わらなかったように思う。とはいえ数少ない外部との交流である編集子との飲みや打ち合わせ、そして古書会館での即売展がなくなってしまったので人と直接話すことがかなり減った。やはり影響は大きかったか。もう少し落ちついたら大阪の古書店にも足を伸ばしたいが。
日録 2020年6月29日(月曜)
明日は大阪なので今日はちょっと忙しかった。仕事がもろもろ動き出した感じがする。二冊の色校正のチェックを済ませて返信。随筆集の三刷用のデータを送る。さらりと書いているが三刷である。つくってよかった。編集印税は一円も入らないけれども、小村雪岱の〈読者〉がいるという事実は嬉しい。夜に付物PDFを一揃い送り、夜中にラフ案を送る。ちょっとミスがあったのでやはり急ぎの時は気をつけないいけない。湿気が酷い。